坐骨神経痛に手術は必要ありません。治療方法や原因を具体的に説明します。

坐骨神経痛 実際のカイロプラクティック症例1

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
脊髄と血管
LINEで送る

症例1坐骨神経痛

65歳 男性 建築士

問診

右臀部から太ももにかけての痛みとシビレ。酷い時はふくらはぎの外側まで痛い。
腰痛は無いが、少しずつ痛みを感じ始めて放置していると動くのが辛いほどの痛みで整形外科でレントゲン、MRIを撮ったがやや椎間板ヘルニアがあるが手術をするほどではなく坐骨神経痛ですねと言われて痛み止めとシップをもらって貼っている。しかし痛みは全く変わらず、日々強くなる感じ。朝寝起きも辛く仕事はほとんどパソコンをしているので座りっぱなしも痛みを感じるようになってきた。椅子から立ち上がる時は一番痛みを感じてすぐに歩けない。歩く方が少しマシだが痛みが強い時はそれも辛く、階段を昇る時は痛い。過去に大きな病気はなく怪我や事故なども経験はない。運動は普段ほとんどしない。

検査

ROM(可動域検査)

立位での屈曲(前屈)は30度~40度で右臀部~太ももに強い痛み。
伸展(反らす)は痛み無し。
側屈・回旋は痛み無し。
座位では屈曲はマシだが腰を丸めるような動きは右に同じ痛み。
他は痛み無し。

神経検査

右足の甲の感覚が鈍く、背屈(つま先を上げる)と親指の伸展(親指を挙げる)に筋力低下が見られる。
SLR(仰向けで脚挙上)45度未満で痛み。

触診

腰椎全体が後弯化
脊柱起立筋(腰椎の左右の筋肉)は全体的に硬く張りが強い。特にⅬ4Ⅼ5(4番目、5番目の腰椎)の右側は硬結(筋肉の塊)がある。圧痛が強い。
右臀部の筋肉が大きく張っていて特に中殿筋に硬結がある。その硬結を押すと症状の痛みが再現される。
右第三腓骨筋(下腿の外側の筋)に強い張り。
右足関節背屈、踵骨(かかとの骨)の前方への滑りが制限。距骨(踵骨の上に乗っている骨)と踵骨の関節がロック。
前脛骨筋(脛の前の筋)、長母指伸筋(親指を挙げる筋)に張り。

カイロプラクティック解説

足の筋力が弱いことや感覚の障害があるので神経に問題が起きていることは事実だと思われます。どの神経かというのは4番目と5番目の神経領域に症状が出ています。通常一つの椎間板が圧迫する神経は一つの神経です。4と5の神経ということは椎間板で言うと3番と4番のヘルニアということになります。それもあり得ることではありますが、この患者様の場合整形外科であまり圧迫が見られておらず、椎間板ヘルニアと考えにくい状況です。
そして、中殿筋という筋肉の塊を押すと痛みが再現されていますので直接的な原因としてはこの筋硬結(きんこうけつ)からの関連痛と考えられます。
では何故神経症状も出ているのか?を考えないとなりません。

MRIを見せていただくと、椎間板はほとんど飛び出していませんが、高さが無くなって潰れたようになって水分が無くなり黒くなっていました。これが何を意味するかというと傷ついた椎間板が硬くなり弾力や柔軟性が乏しくなって体重や動きに対する負荷をクッションで和らげられないということになります。そうすると、その周りの組織、例えば靭帯や軟骨などの関節構造が傷みやすく正常な動きが無くなっていることが考えられます。

脊髄と血管

画像にあるように脊髄から神経へと血管が通っていますが、これらの血流はある程度流れていますがやはり動きが大きいほど毛細血管も発達して良く流れます。なので、動きが少ない状態ですと神経に流れる血流量も本来よりわずかですが少なくなっていることが考えられ、血流不足はシビレの元ですので痺れやすくなります。

ただ、この方の場合はそれだけではあまり症状を感じなかったかもしれませんが、中殿筋の関連痛もあり4番5番の神経は束になって臀部の筋肉を貫いて坐骨神経という大きな神経の束になりますので臀部の筋肉の張りも加わって神経への刺激で血管収縮が起こりシビレへとつながったのだと思われます。

多くの場合、このようにいくつかの要因が重なって症状へと発展していきます。

カイロプラクティック施術

腰椎の近くの筋肉は詳しくどこに硬結ができているかを探し出し、その硬結が動かせるように解していきます(よくあるマッサージとは違います)。L4、L5間のフィクセーション(関節が動かない状態)に対してアジャストメントを行なって、右の中殿筋の硬結を解しました。中殿筋は股関節を動かす筋肉ですので股関節の動きをモビリゼーションして仙腸関節(骨盤の関節)をアジャストしました。仙腸関節は左右共フィクセーションがありましたので左右ともアジャストメントをしました。あとは、腸腰筋(お腹のそこにある股関節を曲げてくる筋肉)と股関節が連動するような運動を行って、右スネの横の筋肉と膝関節の調節、足関節や足指の関節調節なども行っていきました。

結果

症状が軽くなるのに3回ほどかかりましたが、7回目の施術時には8~9割痛みとシビレが改善してあとは2週間、1か月と施術間隔を開けて10回で施術を終えました。

その後はメンテナンスで1,2か月に1回来られましたが症状はなく、整えるような施術をおこない、仕事も続けておられます。

wordpress_footerimg

ホームページ→http://seitaichiro-osaka.com/

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。